最近手に入れた究極の片手デバイスCreatorPadですがジョグダイヤルの動きが重いのが気になったので改造して軽くしてみました、やってみたい方は参考にしてください(自己責任でね)
CreatorPadをレビューした時の記事はこちらになります
https://setsuyaku-neet.com/?p=1736
2024/03/14
amazonでもCreatorPadの販売が開始されました
・改造用部品の選定
CreatorPadについている大きなジョグダイヤルの重さに影響しているのは
ローターリーエンコーダーという回転した時の信号を出力する部品です。
分解して中を確認してみると”REC20D-50-201-1″という型式のものでした。
ちなみに、こちらは光学式エンコーダーという種類のもので接点が非接触です。
そのためスムーズに回転し、耐久性も高いです。
これだけでかなり高額な高級部品のため、私は他の片手デバイスに使われているのを見たことがありません。CreatorPad自体が高いのも納得がいきます。
そちらをネットで検索した結果
メーカーサイトにたどり着き、カタログで仕様を確認すると
https://www.nidec-components.com/j/product/detail/00000088/
全く同じ形と機能を持ちながら、クリック感と防水性だけが違うバリエーションが存在することが分かりました。
クリック感があるものはない物より動きがかなり重く
防水仕様のものはゴムパッキンが入っている分少しだけ重くなっているようです。
CreatorPadに最初から入っているものはクリック感ありで防水仕様ではないものでした。
それなら簡単に交換できると思い、クリック感がなく防水仕様でもないもの(一番動きが軽い)
“RES20D-50-201-1″を発注して手に入れることができました
ただし、安く売っている店には在庫がなく(納期6か月程度)、在庫がある店は結構高額だったので
購入費用は4000円程かかりました。
購入したのはこちらのRSコンポーネンツというサイトです
https://jp.rs-online.com/web/p/optical-rotary-encoders/2024410
次点で軽い”RESW20D-50-201-1″であれば在庫がまだあり
モノタロウなどで2800円程で買えますが、ここは妥協したくなかったので多少高くても一番軽いものの購入に踏み切りました。
・改造方法
手に入れたロータリーエンコーダーをCreatorPadに元からついているものと入れ替えるだけですが
分解にコツがいる部分があるので詳しく解説しておきます
1.ノブの取っ手を取り外す
最初にして最大の難関がここです。
交換用の部品を購入する前にここだけ試してみて無理そうならあきらめるのをお勧めします。
上についている4つのノブはネジや接着剤で止まっているのではなく
ただ上から押し込んで圧入されているだけなので
つまんで上に引き抜けば取れるものですが、なかなか固く、相当力がないと外せません
私は100均などで売っている滑り止めシートをはさんで強く掴み、思い切り上に引っ張ることで何とか傷つけずに外せましたが、結構固いのとつるつるした表面なのでかなり力が必要でした。
どうしても外れない場合は本体をゴムシートなどで保護しながら、細いマイナスドライバーなどでノブの下からてこの原理で持ち上げるなど工夫が必要になると思います。
ただし、もしペンチなどで強引に外してノブが傷ついたとしても、φ6mmの軸用の汎用ノブを購入して新しく取り付けるという方法もあります。
個体差もあると思いますが、改造したい方はがんばってください、ここから後は楽です。
2.ジョグダイヤルを取り外す
ジョグダイヤルの横の穴から1.5mmの六角レンチを差し込んで反時計回りに回して緩めればすぐに外れます。
3.裏側のネジを外してカバーを取る
本体裏側の4本の+ネジを外してカバーをとるだけです。
ネジは自らねじ切るタイプのタッピングねじではなく本体側にネジ穴が切られた通常のネジなのでつけ外しがとてもしやすいです。
非常識にきつく締まっているネジもなく、組み立て時のトルク管理がしっかりしていることが伺えます。
4.基板固定用のネジを外す
基板の4隅にあるネジを外します。
先ほどのネジと大きさが違うので混ざらないようにしておきましょう
5.ロータリーエンコーダーの固定を外す
軽くナットで止まっているだけなので、12mmのソケットをかぶせて手で回すだけで外せます
ギザギザのワッシャーの向きも覚えておきましょう
6.ロータリーエンコーダーを交換する
4本の配線が基板にハンダで繋がれているだけなので
ハンダを扱える方は普通に外してつけなおすのが良いと思いますが
今回はハンダを使わない手軽な方法で交換しました
電子工作ガチ勢の方には怒られるかもしれませんが、特に可動する部分でもないので使用上は問題ないという判断です。
4本の配線を切断し、基板側のそれぞれの被覆をはがして芯線を露出させる
芯線の露出はカッターやペンチでもできますが専用の電光ペンチを使うとやりやすいです。
新しく用意したエンコーダーの配線とより合わせ、熱収縮チューブで絶縁する。
※今回はライターで炙って熱収縮チューブを縮めましたが、安全上はヒートガンを使った方がいいです。
向きを合わせて新たなエンコーダーをはめ込み、逆の手順で組み立てれば改造完了です。
エンコーダーは向きが合わないとまっすぐ取り付けできないので取り付け時の向きには注意して下さい。
以上が改造方法になります。
・改造後のCreatorPadを使ってみてどうだったの?
求めていたものはこれでした!
人差し指1本で軽くなでるだけで簡単に回転し、指を離せばピタッと止まります。
回転も非常にスムーズでまったく引っかかりがなく、滑るようにスルスル回転します。
私はジョグダイヤルをマウスホイールに割り当てているのですが、拡大縮小などの操作が超楽になり、以前よりも格段に快適に操作できています。
その代わりクリック感はなくなってしまったので、どれくらい回ったかの判断が難しくなりました。
繊細な数値の指定などに使っている方は元のクリック感がある方が使いやすいと思います。
そのため、そういった動作は上に4つあるクリック感のあるノブに割り振っています。
部品代4000円というなかなか高額な改造費用がかかりましたが
この改造をして大満足です。
耐久性も高い部品なので、末永く使っていくつもりです。
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