物価が高くなって給料は上がらず生活が苦しくなる一方で今年から新NISAという制度も始まり、ひそかにアーリーリタイアするハードルは下がったと感じています。
しかし、今年入社した新入社員の方は、私もそうだったようにアーリーリタイアしたいという目標はあっても、そのためにどうすればいいか分からないという方も多いんじゃないでしょうか?
そこで今回は過去の自分に伝えたい、現実的な範囲でなるべく早くアーリーリタイアするためのロードマップを考えましたのでそれを公開したいと思います。
想定人物像
22歳 男
大学新卒で正社員として中小企業に就職
親元を離れ一人暮らし
なけなしの貯金10万円で新生活に挑む
残業は月10時間程度
年収は300万(手取り230万)
月収20万(手取り15万くらい)
ボーナス7月と12月にそれぞれ30万(合計手取り50万)
健康だが特にとりえもなく毎日の業務に追われる
仕事に全くやりがいを感じることなくつらい毎日
なるべく早くアーリーリタイアしたい
多くの日本人に当てはまりそうな高収入ではない平凡な会社員をイメージしました
こんなんでアーリーリタイアなんてむりでしょ…と思うかもしれませんが
これくらいのスペックがあれば
色々あきらめることで30代のアーリーリタイア(入社18年未満で会社を辞める)は可能と考えました
投資商品
三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
などのS&P500に連動した投資信託を買うことを想定しています
厳選された米国株500社の平均値を指標にする商品なので長期的に見れば年利5%以上は固いと考え、この商品を選定しました。
オールカントリーでもいいですが、そちらの中身の多くは米国株なのでパフォーマンスの良い方(S&P500)にします。
1.内定~入社1年目
低コストで生活するための準備と生活防衛資金を貯めるフェーズ
・固定費の削減
アーリーリタイアするためにはなるべくお金を使わないようにしないといけません
会社の収入には期待できないので徹底的に生活コストを抑える必要があります
そこでまずは生活に支障をきたさない範囲で固定費を削減しましょう
携帯電話
実用性とコストのバランスが良いHISモバイル1GB
月額550円
モバイル回線
ビッグローブ光 マンションタイプ 2年契約
月額約2000円
電気代 月額3000円
ガス代 月額4000円
水道代 月額4000円
家賃 40000円
なるだけ会社に近い場所(自転車通勤圏内)で風呂トイレがついているところを選びましょう
そのほかの条件を捨てれば意外と4万以内の物件はあります
安ければ安いほどいいです
各種保険など 0円
車やバイクを持たないのであれば不要です
合計
月53550円
・食費の削減
アーリーリタイアを目指すなら外食は年に数回する程度に抑えましょう
格安冷凍食品、米、旬の野菜、鳥の胸肉、卵
これを中心に買って自炊します
基本は野菜(ビタミン)と玉子(たんぱく質)、米(炭水化物)を食っていれば栄養上は問題ありません、量を考えて各栄養素が偏らないように注意して下さい。
自炊は逆にコスパ悪いとのたまう方もいますが、それは味を捨てて栄養とコストを重視する覚悟が足りないだけです。
もちろん会社での昼食も冷凍食品と米、野菜を組み合わせた自作弁当です
朝食は無駄なので取る必要はありません
1日2回一食250円以内に抑えれば
1日500円、月額15000円くらいには収まるはずです
・通勤費の削減
電車通勤で定期代が会社から出るのなら問題ありませんが、田舎の中小企業の場合、車通勤でガソリン代だけ交通費として出るという場合も多いと思います。
その場合、車は金食い虫なので売っぱらって自転車を買いましょう
メルカリやヤフオクなどで中古のクロスバイクを買うのがおすすめです
ロードバイクでもいいですがクロスバイクの方が盗まれづらくわずかに維持費も安いです
3万円も出せば良質な中古自転車が見つかると思います
https://amzn.to/4ehkcrC
ちなみにママチャリやホムセンの自転車は価格は安いですが、修理しづらく速度が遅く、耐久性も低いのでお勧めできません。
もちろん、節約のためにパンク修理やタイヤ、ブレーキシュー、チェーンの交換などは自分で出来るようになっておいてください、今はYoutubeで無料で整備動画が見放題です。
自転車通勤なんてだるい…と思うかもしれませんが
無理やりにでも会社への往復で運動ができるので
ジムに通ったりしなくても運動不足になることがなくなります。
無料のジムを毎日2回使えると考えれば最高のコスパです
チョコザップなんて目じゃありませんよ
ただし事故った時は怖いので
親に頼み込んで親が乗っている車の自動車保険のオプションに個人賠償責任特約を加えるようにお願いしておくのがおすすめです
これだけで自分で保険に入るよりかなり安価で自転車の事故も保障されます。
・低コストな趣味の開拓
人間暇だと浪費します、とにかく暇な時間を作らないように低コストな趣味を持つことをおすすめします。
無料漫画や無料動画、無料ゲームを楽しむことでもいいですが
もっともお勧めなのはイラスト制作です。
なぜなら低スぺPC+ペンタブ+無料ソフトだけで楽しめる上に、skebやクラウドソーシングサイト等で小遣い稼ぎもできるからです。
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コンシューマーゲームでもいいでしょう、格ゲーやFPSなど自分の技術向上を楽しめるものであれば数千円のソフトを買うだけで1000時間以上楽しめます。
・とりあえず投資を始める
入社1年目の状態では本格的に投資を始める事は難しいですが
投資したお金が増えたり減ったりすることを実際に体感し
体験として経験しておくことは重要です
それに慣れていないと下がった時に狼狽売りして損してしまう確率が上がるからですね。
証券会社はコストのやすい楽天証券かSBI証券
購入する投資商品はS&P500に連動した投資信託がいいでしょう
まずは1万円だけ購入して時々値動きを眺めることで投資している感覚に慣れましょう
もちろん投資するのは税金がかからないNISA枠です
余裕があればiDeCoも利用して投資&節税してもいいですが60歳まで引き出せないことを前提にほどほどにしておきましょう。
・ふるさと納税の利用
2000円で大量の食材が頂けるチャンスなので、積極的に利用して食費を節約しましょう
ただし冷蔵庫が大きくないと長持ちさせられない場合もあるのでどうやって保管するかもよく考えて下さい
・人間関係
ケチケチしすぎると会社で浮いてしまってつらくなるので
飲み会などはたまに付き合う程度にこなしましょう
仕事も周りからの印象が悪くならない程度に適度にがんばってください
全てはアーリーリタイアのためです
付き合いは悪いけど仕事はまじめだし悪い奴ではない
というポジションをキープするのがおすすめです
そして親との関係は良好に保ちましょう
アーリーリタイア後には実家に帰ってこどおじとして生活するのが最もコスパがいいからです
仕送りはしなくても父の日、母の日、誕生日などには数千円の物でいいので贈り物をすると喜ばれます。
友人は頻繁に遊ぶのではなくたまに連絡をとる程度、彼女は作らない
メンタルが病まない程度に人間関係を保っていきましょう
・まとめ
1年目は色々と準備するものもあり、お金を貯めるのは難しいと思いますが
それでも上記のことを心がければ50万円程度は貯金できるはずです
これを生活防衛資金として、本格的に投資を始めていきましょう
2.入社2年~8年目
本格的に投資を始めてひたすら資産を増やしていくフェーズです
この7年間で金融資産1000万を目指しましょう
・毎月10万円を積立投資する
新NISAの積立投資枠年間120万を使いきれるように
毎月10万円投資します
もちろん投資商品はS&P500に連動した投資信託です
SBI証券なら10万円をクレジットカードで投資できてポイントももらえます
いやいや、月収手取り15万固定費で月53500円、食費で15000円かかってるんだから手取りの残りは81500円
そこから趣味とか消耗品とかかるんだから無理でしょ…
と思うかもしれませんが
それはボーナスや残業代を計算に入れなかった場合です
年単位で考えれば年収手取り230万を12カ月で割って約19万+残業代
固定費と食費と投資金額を抜けば余裕は1万円程…
何とか行ける気がしてきませんか?
1年目で50万の余裕を作っていますし
ヤバくなったら投資金額を減らせばいいんです
・副業を始める
会社の仕事に慣れてきて時間に余裕があるなら副業を始めてみるのもお勧めです
イラスト制作やライティング、プログラムなど無理のない範囲で学んでわずかでも稼げるようになれば、かつかつの生活に余裕ができますし、アーリーリタイア後の収入源にもなります。
でもやり過ぎはメンタルを病むのでほどほどにしておきましょう
・まとめ
上記のことを実戦し続けていれば
入社8年目の終わり、30歳の頃には1000万円の資産が形成されているはずです
ちなみに年利5%で計算しているので実際にはもっと増えているかもしれません
3.入社9年~13年目
給与UPしていれば生活が楽になり、特に意識することなく資産が増えているフェーズです
投資を続けていれば最終的には2000万程の資産になっているはずです。
・NISAの成長投資枠にも投資を始めてみる
今では積立投資枠年額120万円をつかって投資していましたが
収入に余裕が出てくれば成長投資枠240万円に手をだすことも考えましょう
といっても購入する商品は積立投資枠と変わらずS&P500に連動した投資信託です
これは必須ではありませんが、ここで投資すればするほどアーリーリタイアは近くなります
ちなみに入社8年目までの投資で元本として841万円投資しているので残りは941万円
まだまだ投資できますね
・まとめ
成長投資枠には投資しなかったとしても
13年目が終了した時点、35歳の頃には投資した元本は1441万円
金融資産は2000万円ほどになっているはずです
4.入社14年~入社16年目
新NISA枠1800万円を使い切り、特定口座への投資を考えるフェーズです
この時の金融資産は2700万円ほどになっています
・新NISA枠を使い切り、特定口座への投資を検討する
入社16年目まで順調に年間120万円ずつ新NISA枠で投資していれば
17年目になる前に投資枠1800万円を使い切っているはずです
これ以上投資できないとあきらめるのではなく、利益から20%程の税金が取られるかわりに
無限に投資できる特定口座に投資しましょう
商品は変わらずS&P500に連動した投資信託です
・まとめ
投資をつづけていれば16年目終了時点、38歳で金融資産2700万円です
ゴールまであと少し、ここで気持ちを緩めずに節約生活を続けましょう
5.入社17年目~アーリーリタイア
生活に必要な額を投資し終わってついに会社を辞めるフェーズです
ここまで順調に投資していれば金融資産は3000万円程になります
・波風絶てずにスッと会社を去る
ここまでくれば後は頃合いを見て会社を去るだけです
退職の理由は素直に資産が貯まったから…とは言わないようにしましょう
金があることを人に伝えると金を貸してほしいと無心されたり、嫉妬されて攻撃されたりすることがあるからです。
無難なのが家庭の事情で実家に帰らなければいけないという理由です
親が病気だったり体を痛めたからサポートが必要という理由であればそうそう不審がられることもなく会社を辞められるでしょう。
送別会でも余計なことを言わないよう注意して下さい
退職金も多少は出ると思うので、そちらも投資に回しましょう
・退職後はハローワークに行って失業手当を受け取る
自己都合退職なので受け取るまで2ヵ月以上かかりますが
せっかく雇用保険を払っていたので、再就職するフリをしてでも失業手当を受け取っておきましょう
もちろん受け取った失業手当は投資しておきます。
嘘をついて就職活動するフリが嫌な方は
開業して再就職手当を受け取る方法もあります
その際の条件は複雑なので下記の記事を参考にして下さい
https://setsuyaku-neet.com/?p=896
・まとめ
17年の会社勤務、大変お疲れまでした。
39歳で無事にアーリーリタイア成功です
ですがこれは終わりではなく、新たな生活の始まりです
これからの人生を楽しんでいきましょう。
6.アーリーリタイア後~寿命
3000万の資産を運用した利益と65歳以降は年金も+して生活していくフェーズです
節約生活を続ければ資産は減るどころか増えていくのでメンタルも安定します。
・年間150万円以内で生活を続ける
3000万円を年利5%で運用すると年間150万ずつ増えることになります
しかし、60歳までは年間20万程の国民年金
寿命でなくなるまでは年間2万円程の国民健康保険料も納めないといけません
それを支払うと残りは128万円
月に換算すると10万6600円
今までとほぼ同じような生活を続ければ暮らしていける金額ですが
暇があるからと言って旅行や飲み歩きなどの贅沢をしていては一瞬で消し飛ぶ額でもあります
開拓したお金のかからない趣味や楽しめる程度の副業をしながら生活していきましょう
小説や漫画やゲームを作ってダウンロード販売したり、Youtubeで動画を投稿したりするのもお勧めです。
儲けるのはかなり難しいですが、生活は保障されているので、当たればラッキーくらいの穏やかな気持ちで取り掛かることができます。
・65歳を超えたら年金を受け取る
60歳を超えれば毎年の年金の支払いも必要なくなり
65歳になれば年金も入ってくるので生活に少し余裕ができます
とはいえこの頃になると体も衰えているので通院費等がかかってくるかもしれません
・金を抱えてひっそりと寿命を迎える
3000万もあるんだから全部使いたいと思うかもしれませんが
いつ寿命を迎えるかは分からないので資産をある程度の残した状態を維持した方が精神衛生上いいと思いますし、残された家族や親戚に迷惑をかけないためにも1000万程度は残しておきたいところです。
自分での生活がままならなくなったら介護施設にいくのもいいでしょう
資産がそれだけあれば寿命までは何とかなるはずです。
・まとめ
39歳でアーリーリタイアして90歳で寿命を迎えるまでの51年間
有意義に楽しく過ごすのがここの目標です
そのためにも低コストで楽しめる趣味というものは必ず持っておきましょう
それでもどうしてもアーリーリタイア生活に耐えられないときは
アーリーリタイアをリタイアして社会人に戻ってもいいんです。
ここまで長期的に目標を達成し続けられたのであればどこに行っても何とかなりますよ
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